2016年1月15日

岡部嶺男展、残り3日間となりました。

開催中の「岡部嶺男展」、本日を含めて残り3日間となりました。

瀬戸出身の陶芸家・岡部嶺男は、縄文を施した力強い作品から、非常に静謐な青瓷の作品まで、一見すると一人の作家が成し遂げたとは思えないほどに多様に作風を展開しました。実はそれらは灰釉や鉄釉の丹念な研究の成果であり、一貫した作陶活動の結晶と呼べるものですが、今回の展示ではどのように作風が変転していったのかを味わえる構成になっています。

今回出品している作品の中でも、私が特に好きな作品を一つご紹介します。




《古瀬戸灰釉縄文瓶》(1968年)です。
表面に施された縄文の模様が生き生きとしていて、うつわのフォルムと釉調が見事に拮抗しています。ダイナミックでありながらも、優雅さをまとった作品です。

縄文は1950年代半ば頃、岡部嶺男が陶芸家として頭角を現すきっかけにもなった手法で、次第に洗練されていきます。この作品は、そのスタイルで作られた作品の中でも、いわば完成期に作られたものです。ぜひ作品と直接対面して、凄みを体感していただければ幸いです。

このほかにもたくさん、嶺男陶芸の見どころがございます。
1月17日(日)まで、皆さまのご来場をお待ちしております。

[YM]